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2008年 10月 14日
10月上旬、バブル期以上の求人ブームの恩恵にあずかった大学4年生の多くは、それぞれの志望会社の内定式に臨み、残された大学生活を楽しむ日々のスタートをきった。だが、その浮かれた気分は、わずか1週間で吹き飛んだ。翌週、NY市場では、米議会下院で金融安定化法案が否決されたことを受け、株式市場が大暴落。さらにアメリカ発の金融パニックは、一気に日本経済を襲い、株価暴落、急激な円高進行となって銀行、証券、保険会社の財務内容を悪化させ、業界の統合、再編成、破綻を表面化させ、同時に起こった円高や輸出の減少は、メーカーの業績をどん底に落ち込ませた。その結果、金融機関や外資系企業、不動産会社、輸出メーカーの内定者は、内定取り消しや企業倒産に脅え、今後の経営の厳しさに直面することになった。
このサブプライム問題は、これから就活をする大学3年生の心理にも大きな影響を与えることになった。10月上旬から始まった大学での業界研究講座や就活セミナーでは、参加学生数が大幅に増え、参加する学生の表情も緊迫感に満ちたものとなった。その一方で、求人する企業もサブプライム問題の影響がどのようなものか、採用どころか経営への影響が読みきれず、学生の質問や大学の問い合わせに戸惑うばかりである。 そこで、当社では、オープンしたばかりの「文化放送就職ナビ(ブンナビ!2010)」にいち早く登録した学生に、現在の就職意識や就職活動、志望会社の選択基準について聞いてみた(回答数381人)。 まず、就職環境全体の認識として「来年の就職の見通し」を聞いてみた。当然のことながら「厳しい」とみる学生が急増、65%(昨年は19%だった)と昨年の数字を大きく上回った。その結果、「昨年並み」とする学生は、35%(昨年76%)に半減、さらにこの環境でも「楽勝」とうそぶくのは、わずか0.3%(昨年3%)と皆無になった。まさに環境は、暗転した。この環境認識については、学生の記述式の回答を見てみよう。学生の気持ちがストレートに伝わる。 「不安、心配の毎日ですが、先輩の話や情報を集めて精一杯頑張りたい」(日大) 「正直、不安だが、じたばたしても仕方がない」(埼玉大) 「リーマンブラザースの破綻で経済状況が不安です。とくに金融業界は、新卒採用を控えるのではないかと懸念を抱いています」(上智大) 「金融不安が悪化し、就職活動がきびしくなることが予想されるが、入念な準備と強い意志、執念を持って、納得のいく結果を得たい」(北大) このように学生たちは、不安、心配、きびしいといった言葉を連発している。この悪化した経済環境は、学生に就職氷河期の再来を想起させている。ほとんどの学生が就職環境の変化を読み、企業情報の収集、研究から就活について真剣に取り組もうという姿勢がみられる。動きとしては、早期からのエントリー登録やイベントへの参加が、一段と増加すると見られる。ただし、そのときの企業の選択基準が、どう変るかが問題だ。 そこで、志望する企業の規模について聞いてみた。「大企業しか考えていない」という回答は、5%(昨年5%)、「できれば大企業」62%(57%)、「こだわらない」33%(36%)という結果だった。大企業志向は、昨年よりやや増加したものの不況に突入したから大企業志向になったともいいきれない。企業の経営の安定より、仕事のやりがいやキャリア形成にこだわるということが定着しているといってよい。だから、来年の採用では、学生が、大手企業一辺倒ということにはなるまい。そのため、「魅力的な会社の要素」という調査結果にも注目したい。これによると学生は、大企業(企業規模や知名度)より、社風、仕事内容、事業内容を重視することと回答している。キャリア志向がここでも見られる。 しかし、こうした傾向は、いつまで続くだろうか。ドン底となった日本経済が回復する過程で企業が、非正規社員の解雇、再雇用制度の停止、新卒の抑制という動きを見せるや学生の職業観や就職観が、さらに変化するはずだ。当社では、今後もこのようなモニター調査を継続する予定だが、年末には、恒例の「就職ブランド調査」を実施する。これまで学生の人気を集めてきたメガバンクや大手証券会社、保険、外資などの金融業界の志望者はどう動くだろうか。要注目である。 これから年末にかけて経済界では、金融、メーカー、流通、サービス業などで企業生き残りのすさまじい競争や経営統合、難局に臨む経営トップの姿勢が学生の前に露呈されることになる。学生たちは、そうした企業の本当のパワーを見ることで志望先企業を見出すことになろう。採用活動は、すでにスタートしている。若者が採用できてない企業は、早くもチャンスとばかりに採用活動を強化しようとしている。そこで多くの企業は、とりあえず年内は、「従来どおり」と表面を取り繕っているものの、経営戦略の見通しの中で採用計画が大きく転換することも考えられる。しかし、優秀な人材は、こうした難局時にこそ採用できるといわれていることも忘れてはならない。 *調査の詳細は、株式会社文化放送キャリアパートナーズ 採用コンサルティング部まで [08.10.14]
by bcp_sjk
| 2008-10-14 13:00
| [メルマガ]採用戦略研究2008
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