以前の記事
2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 07月 2006年 01月 2005年 12月 2004年 12月 カテゴリ
全体 [メルマガ]採用戦略研究2009 [リリース]2009 [メルマガ]採用戦略研究2008 [リリース]2008 [メルマガ]採用戦略研究2007 [リリース]2007 [メルマガ]採用戦略研究2006 [リリース]2006 [メルマガ]採用戦略研究2005 [メルマガ]採用戦略研究2004 組織概要・連絡先 関連リンク
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2009年 12月 15日
◇リーマンショックから1年、日本経済は、未だに景気低迷から脱出できないのが現状だが、来年の採用活動(2011年卒)は、例年通り、夏から始まった。夏休みの就職支援セミナー、インターンシップ、秋からの合同説明会、学内セミナー、1dayインターンシップ、さらに11月から12月にかけては、企業セミナー、GW(グループワーク)、GD(グループディスカッション)が実施され、母集団の選別がはじまっている。景気の影響を受けにくい医薬品業界の先行採用も例年同様に進んでいる。産業界全体を見れば、採用計画は抑制気味で出足は鈍いものの、厳選採用という方針で従来とは違った早い動きも見えている。今回は、こうした前半戦の企業の動きを振り返ってみよう。
◇「少数精鋭採用」というのが今年の企業の基本方針。不況であっても採用ゼロという企業は少なく、次世代への人材を確保するということで、優秀人材の採用にかける意欲は旺盛だった。その動きは、金融や総合商社、通信などの大手企業で顕著。どこも採用人数が少ないものの、僅かな予算の多くを優秀人材の採用に投入して採用活動を先鋭化した。この採用活動の特徴は、不特定多数を対象にするのでなく、関心層の徹底した深堀と特定大学を対象とした採用活動にある。深堀のプロセスでは、企業は、学生のパーソナリティと、基礎能力を見極め、通過者は11月から長期のジョブ型インターンシップや、GW、GDへの参加というステップを踏むことになった。特定大学に対する採用活動は、採用実績のある大学に早期から少人数セミナー、社員・内定者との懇親会、就職相談という密室型で進められた。そのため、昨年まで全国各地で開催されてきたオープン型の合同説明会や、個別企業セミナーの開催回数は減少した。採用予算減、採用体制弱体化のなかで、精鋭された総合職をどのようにして選抜していくか、ということで、たどりついた採用手法だったのである。 ◇これに対し、大量の一般職や専門職、女子の採用を予定する大手企業は、説明会の開催が遅く、年末から年明け開催となりそうだ。金融などでは、こうした専門職、一般職の採用計画決定は、3月ごろになると見られているから、総合職とかなりの差のある、遅い動きとなっている。この流れから来年の採用では、大手企業に強い有名大学は、さらに内定率を高め、それ以外の大学は、内定率の低下と内定時期が遅れることになりそうだ。 ◇採用PR活動では、新しい傾向が見えた。内定者を企業セミナーに動員して、就職動機や就活の実際を内定者に語ってもらうという企画である。目の前にいる学生が内定したということだから、就職体験談にリアリティがある。また、語られることが、学生目線に近いだけに説得力がある。ある保険会社は、11月上旬に内定者主催セミナーを開催した。学生80人に対して内定者20人という密度の濃さだった。さらに別の保険会社は、特定大学だけを対象に、大学の近辺で「内定者との交流会」を開催した。参加者は、学生200人に対して内定者50人だった。さらに突出したのは、通信大手企業の試みで、内定者に知人(同級生、後輩)を紹介させて、懇親会を開く採用方式をとった。なかなか過激である。このように内定者を動員して自社と就活を語らせるのは、就活学生(3年生)にとってはありがたいが、内定学生(4年生)にとってはどうだろうか。いささかやりすぎのような気がする。 ◇就活において学生が第一志望を変更することは常識であり、当然のことだが、企業はこれを警戒している。選考途中での辞退や内定辞退を恐れてのことだが、企業への本気度、第一志望を確認する手法がさらに進んだ。これは、少数採用だからこそ辞退を防ぎ、確実に採用したいという危機感から出たものともいえる。 ◇その採用手法が、就職支援型のセミナーや自己診断検査の提供とフィードバックサービスであり、もう一つが参加必須型セミナーである。後者は、早期に開催される夏期セミナーへの参加、1dayインターンシップの参加者だけに、秋からのセカンドステージである説明会や面接に参加する権利を与えるというもの。さらにWEBテスト(能力検査や筆記試験)を受験し、通過者だけが年明けから面接してもらえるものである。ここでは、一定水準以上の能力が要求されている。能力不足の学生は採用しないという方針が明確になってきたのである。こうした手法をとる企業は、人気企業であるが、大量の準総合職を採用する企業であることも特徴である。 ◇こうして前半戦を振り返ってみると、2011年卒の採用活動の特徴は、優秀人材の採用だけが熾烈化し、早期化することが予想される。その一方で、全体の採用スケジュールは慎重に推移する。選考基準もさらにバーが上がるだろう。その結果、大学による就職内定率の格差が拡大し、一般大学では就活が長期化し、未就職者は今年以上に増えるのではないか、というのが現在の見通しである。なるべくこの予想が外れるような景気回復を期待したい。 [09.12.15]
by bcp_sjk
| 2009-12-15 15:01
| [メルマガ]採用戦略研究2009
|
ファン申請 |
||